40代男の見る夢

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奥田英朗の最高傑作「最悪」を読んでみた


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奥田英朗「最悪」

最悪 (講談社文庫)

 

奥田英朗と言えば、「伊良部総合病院物」が有名で、コミカルなタッチの作風が人気である。

 

 

私ももちろん大好きで、「イン・ザ・プール」「空中ブランコ」を読み、腹を抱えて笑った記憶があります。

 

イン・ザ・プール ドクター伊良部 (文春文庫)

イン・ザ・プール ドクター伊良部 (文春文庫)

 
空中ブランコ ドクター伊良部

空中ブランコ ドクター伊良部

 

 

「邪魔」

 

邪魔(上) (講談社文庫)

どちらかというと、そのような作風を期待して購入した「邪魔」の上下巻。
もちろん伊良部ドクター出てきませんし、全く別物という感じです。

 

及川恭子、34歳。サラリーマンの夫、子供2人と東京郊外の建売り住宅に住む。スーパーのパート歴1年。平凡だが幸福な生活が、夫の勤務先の放火事件を機に足元から揺らぎ始める。恭子の心に夫への疑惑が兆し、不信は波紋のように広がる。日常に潜む悪夢、やりきれない思いを疾走するドラマに織りこんだ傑作。(講談社文庫)

 

 凄まじいテンポで物語は進み、平凡な主婦が真っ逆さまに下り落ちていくなんとも恐ろしい物語。

 

決して読後感は良くないけれども、このスピード感はたまらない。

 

邪魔(上) (講談社文庫)

邪魔(上) (講談社文庫)

 
邪魔(下) (講談社文庫)

邪魔(下) (講談社文庫)

 

 

「最悪」

最悪 (講談社文庫)

 

そして今回ご紹介する「最悪」ですが、「邪魔」の数倍読後感の悪い、しかし最高のエンターテインメント作品となりました。

 

不況にあえぐ鉄工所社長の川谷は、近隣との軋轢(あつれき)や、取引先の無理な頼みに頭を抱えていた。銀行員のみどりは、家庭の問題やセクハラに悩んでいた。和也は、トルエンを巡ってヤクザに弱みを握られた。無縁だった3人の人生が交差した時、運命は加速度をつけて転がり始める。比類なき犯罪小説、待望の文庫化! (講談社文庫)

 

「邪魔」のときと同様に、全く関係のない3人のそれぞれの日常の風景を描いていきます。

 

徐々に徐々に日常から異常に移り変わるのですが、その異常ぶりが「邪魔」とは比較になりません。

 

特に「川谷さん」の部は読んでいられません。
「川谷さん、それやっちゃ駄目!」「川谷さん、まだ間に合う・・・」

 

年代も同年代の川谷さん。
妻がいて子供がいるという設定がさらに親近感を増し、身につまされる思いに拍車をかけます。

 

主人公の3人が3人とも、日常から異常へと凄まじいスピードで駆け落ちていくさまはまさに壮観!

 

 

 

まとめ

読み始めたら止まらないことは保証します。
「これぞエンターテイメント!」と拍手を送ることでしょう。

 

でも、「早く続きを読みたい」んだけど、「怖くてページをめくれない」
そんな気持ちにさせてくれた本に出会ったのは何年ぶりだろう?

 

絶対に面白いのでぜひ読んでみて下さい!
では!

 

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